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中国には上海や青島、烟台には数回訪問しましたが、初訪問の大連。夕方に到着すると-7℃の先制パンチ。夜には-10℃で未体験ゾーン。とにかく寒がりの僕には堪えます。そんな中、市街地の幹線道路沿いには露店商が軒を連ねます。驚いた表情で見ていると、アテンドして頂いた取引先の社長の出身地、大連から1200㎞ほど北に位置する黒龍省の牡丹江でも露店はあるらしい。なんと-25℃くらいだそう。想像しただけで死の恐怖を感じます。

今回の目的はBPOでお世話になっているお取引先への視察と商談。商談といっても、具体的な案件があるわけではなく、相互にメリットを見いだせるビジネスモデルをフリーディスカッションの中でヒントを探そうという趣旨です。

お取引先の韓社長、役員の方にコンサルティングでお世話になっている原田社長と僕の4名。受注件数と物件量は決して少なくないのだが、急激な円安による為替変動で赤字が続いているらしい。確かに海外取引では、こういったリスクは付きものですが、自助努力だけではどうにもできない環境は本当にツラいでしょう。紙の相場変動に悩まされ続けてきた印刷業界に身を置く立場ですから、気持ちは痛いほどよくわかります。

日本でのキャリアも長い韓さんは日本語がペラペラなだけでなく、経営マインドも極めて日本的で、「みんなでここまで頑張ってきたからには、耐えていけるところまで踏ん張っていきたい」と語ってくれました。

4時間に及ぶディスカッションはアイデアが次々に繰り出され、さながらノックやキャッチボールのようでした。主なアイデアは原田社長から繰り出されます。情報量やコンテンツの量がハンパなく、それらを結びつける能力が卓越している。「仕事が面白くて仕方がない」といった様子で、嬉しそうに次から次へとアイデアを吐き出されます。10くらいの案件の中から、その場で二つくらいを具体的に進めていくようで、僕にとっても有意義で充実した時間でした。

弊社でも、1月から模索中の二つの案件を進めます。そうそう、来期に向けての新しいモデルも具体的に検討していきましょう。

企業とは、独楽のようなものだと感じています。回り続け、停止した瞬間に倒れてしまう。「回り続ける」とは、仕事やお金もそうですが、絶えず変化し続けるということ。こう言われるとしんどそうですが、変化を楽しむことができる習慣が身に付くと、変化はツライものではなく、楽しいモノに変わる。人は自分の変化は好まないけれど、自分以外には変化を求めます。変わればイイというものでもなく、それは従来のものにアップデートを重ね、バージョンアップしたものか、今まで全くやっていなかった新しいビジネスモデル。どちらも相応にエネルギーを要します。けれど、頑張り続けて成果が出始めると俄然面白くなる。仕事ってそんなものなんでしょうね。

中国に訪問する度に思うことは、今の日本が失いかけている「熱さ」や「ガムシャラさ」「執着心」といった「不格好さ」に動じない凛々しさがある。GDPでは日本を追い越し経済大国にはなりましたが、「洗練」とは程遠く決してクールでもスマートでもありません。とにかく、よく食べ、よく喋る。そして、執拗に「お金」を求める姿は、ある意味清々しくさえ感じるのです。

「日本人はもっと貪欲になるべきだな・・・」なんてことを帰りの飛行機の中でふと考えていました。その「貪欲さ」とは、自己の成長やビジョンの実現に向けるモティベーションを高く持ち続けることです。

2泊3日の慌ただしい出張でしたが、非常にエキサイティングな大連のひとときでした。

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最近読んだ本のご紹介

・経営の見える化 (小山昇)
・朝一番の掃除であなたの会社が儲かる (小山昇)
・トヨタの問題解決 (OJTソリューションズ)
・超入門コトラーのマーケティングマネジメント (フィリップ・コトラー)
・ツキの大原則 (西田文郎)
・ちょっとアホ理論 (出路雅明)
・会社はムダが9割 (山口智朗)
・ブルーオーシャン戦略 (Harvard business school press)
・アルフレッド・アドラー「嫌われる勇気」 (岸見一郎・古賀史健)
・アルフレッド・アドラー 人生に革命が起こる100の言葉 (小倉 広)
・教える技術(石田 潤)

やはり、あくまで「経営」が中心ですが、生き方、マーケティング戦略、マネジメント、経営理論、マインド系、スピリチュアル系などなど・・・。読書量の多い方はたくさんいらっしゃるでしょうが、これだけ種々雑多に読書する人間ってのも珍しいでしょう。

その中でも、結構強烈に記憶に残ったのは、アルフレッド・アドラーの教えをストーリーに仕立て、書店やアマゾンでも静かに話題になった「嫌われる勇気」。

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現代の心理学では、フロイトやユングが有名ですが、「人を動かす」の著者、D・カーネギーなど自己啓発のメンターたちに多大な影響を与えたと言われる「アルフレッド・アドラーの思想」を青年と哲人の対話形式でまとめたもの。

僕もそうですが、大概の方の思考は「原因論」だと思います。例えば、登校拒否の引きこもりの子供がいたとすると、過去に学校でイジメなど嫌なことがあったため、そのことがトラウマとなって、外に出たいけれど出れない。という過去の原因をもとに思考するのがいわゆる「原因論」。

しかし、アドラーの思想は違います。「外に出たくない」から過去の嫌な記憶を引き合いに出して、外へ出ようとしない。「外へ出でない」という目的のために過去の出来事を理由づけするというのが「目的論」です。
かなり厳しい心理学です。けれど、どんなに原因を過去に求めても、過去は変えられません。ですから、「幸福」を求めても、過去に縛られて「幸福」にはなりにくい。

目的論は、自分が本気で求めれば、今からでも行動を変えられるという考え方ですから、アドラーの「目的論」は幸福の心理学」とも呼ばれているようです。

僕が今まで学んできた自己啓発の学習は、間違いなくアドラーの「目的論」がベースになっています。

知っているはずなのに、読んでみるとなかなかに「目ウロコ」。ストーリー仕立てですから、読み物としても退屈はさせません。まだ読んでいない方にはオススメです。

タイトルの「嫌われる勇気」の所以ですが・・・まぁ気になったら読んでみてください。

人間は気が付くと、いつの間にか自分の世界を複雑にしてしまう生き物のようですね。心の葛藤や、「やったほうがイイはず」と思いながら、やらない理由を自分で作り、シミュレーションしてしまうとか・・・。まぁ僕も過去に散々やってきました。

パソコンで例えると、ハードディスクがいっぱいで動きが遅い状態です。ある一定の間隔でクリーニングしなければ、思考は停止してしまうでしょう。

ソフトのバージョンだって上げていかないと、新しいバージョンのファイルは開けませんよね。「心」や「思考」というソフトのバージョンアップこそが、「学習」だと思います。OJTやOff JT、本や講演会といったものがツールとしては有効でしょう。その中から、ピックアップして実践してみる。社会人はこのバージョンアップの繰り返しで成長していくのだと思います。

時代はものすごいスピードで変化していますから、新しいビジネスモデルや、それに伴うスキル、スキームもとても大切です。けれど、それらをコントロールしていくのは、人の「マインド」なんです。

「理想の自分」と「現在の自分」のギャップを埋めていくには、定期的に「学習」と「実行」によって「マインド」をバージョンアップしていく以外に方法はないのでしょう。

とは言え、これらを理解し実践していくのは、想像を超える難しさがあるかもしれません。固定観念は、新しいものの見方や考え方を、「新しいソフト」とは認識せず、常識へのアンチテーゼとしてインプットしてしまう恐れがありますから。

いずれにしても、「知らないこと」を頭から否定せず、まずは肯定的に思考してみることが大事なんでしょうね。